今年の節分はなぜ2月2日?その科学的な理由に迫る

CT 時事ネタ

今年の節分が2月2日であるという事はこちらの記事ですでに紹介済です。

この記事にもあるように、なぜ今年が2月2日なのかは
「立春の日が年によって変わるから」なのですが、
そもそも、それもなんで変わんねん、と調べてみたら面白いことが分かりました。
この記事では節分の日がずれる理由について、少しだけ詳しく紹介します。

そもそも立春の日付はどうやって決まるのか

節分は太陽の動きに基づく二十四節気(年を24の期間に分け、季節の移り変わりを示す中国由来の暦法)の中の一つ「立春」の前日、とされているため、立春の日付によって変動します。

では、その立春(とその他の二十四節気)はどうして変動するのでしょうか。
それは、太陽の公転周期が1年ピッタリではないことが原因です。

現在日本のカレンダーは、地球が太陽の周りを回る周期をなるべく正確に反映するために「グレゴリオ暦」を採用していますが、地球の公転周期は365日ちょうどではなく約365.2422日(365日と6時間弱)であるため、カレンダー上で調整が必要になります。

毎年蓄積する6時間弱のズレを4年に一度、1日増やすことで調整しているのです。

いやいやいや・・・、知ってるやん。「閏年」やろ?
閏年で調整してるのに何でまたズレとんねんて話やん。

ですよね。その理由はこうです。

ズバリ、閏年だけでは「完全に調整しきれていないから」です。

閏年を4年に一回設けることはあくまで年単位での大まかな調整です。

実際の地球の公転速度や軌道太陽の「見かけの動き」が、完全に均一ではないため、二十四節気では天文学的な観測に基づき、太陽が黄道上の特定の位置に達する実際のタイミングを精密に計算し、暦法の大まかな調整だけでは対応しきれない細かいズレを調整しているのです。

もっともっと詳しい解説はこちら・・・国立天文台暦計算室

なるほど・・・立春というのは、正確には立春とされる地点を地球が通過する時刻を指すのであって、その時刻が含まれる日のことを「立春」と呼んでいるのですね。

古い暦と今使われている暦のズレが自動的に回ってくるだけだと思っていましたが、現在進行形で実際の天文学を駆使して観測し、こんなに厳密に制定されていたとは・・・

これまでとこれからの節分の日付を見てみる

この辺で過去の節分の日付の変化を見てみましょう。
2月3日以外が節分となった年は以下の通りです。

  • 1897年:2月2日
  • 1984年:2月4日
  • 2021年:2月2日

ムム・・・2021年て・・・最近だね?・・・覚えてます??

この年が実に124年ぶりの2月2日の節分だったようです。
2021年の「立春」の時刻が2月3日23時59分で、2022年にはまた2月4日となります。

このため前日の2月3日が例年どおり節分となり、これが2024年まで続きます。
ところが2024年が閏年なので、翌年である今年、2025年の立春が2月3日に早まります。

4年に一度閏年で調整するけど、その閏年によって「調整しすぎ」が発生するということですね。

この『うるう年の翌年は2月2日が節分』という流れは「当分の間は4年おき」に続くようです。
来年は通常通り(?)2月3日、4年後の2029年が次の「2月2日の節分」となります。

そして

32年後の2057年と2058年は2年連続で2月2日が節分

となるとのこと。

その2年の暦の詳細を見てみると、

  • 2057年:立春が2月3日の午前中に設定されているため、前日である2月2日が節分。
  • 2058年:同様に立春がさらにわずかに早まっても、まだ2月3日の午前中であるため、節分は再び2月2日。

天文学的な立春の時刻と暦の設定が複雑に絡み合った結果、連続して2月2日が節分になることもあります。
数十年単位で立春の時刻が徐々に早まる傾向があり、それによって今世紀の末にかけてはこの前倒し頻度が高まるということです。

おわりに

節分の日付が変動する背景には、地球の公転周期や天文学的な計算が深く関わっています。

驚くべきは、昔の人々がこれほど精密な自然の動きを捉え、それを生活に取り入れていたこと。
そして現代では最新の観測技術を駆使して、その知恵を引き継ぎながら、昔ながらの習慣や暦を守り続けているということです。

個人的にはこういった行事をスルーしがちなのですが、こんなに精密に、執念深く(笑)暦が制定されていたのかと思うと、少し見方が変わります。
今年の節分は、遠い昔から受け継がれてきた知恵と、それを守り続けている人たちのことを思いながら、何か用意してみようかなと思います。