人類は再び月へ──アルテミス計画って何?

CT 時事ネタ

♪「僕らの生まれてくる ずっとずっと前にはもう アポロ11号は 月に行ったっていうのに」♪

ポルノグラフィティの「アポロ」がすでに20年以上前の曲ですし、その発売時点からも確かにずっとずっと前である1969年に、人類は初めて月に降り立ちました。
でも、それから50年以上もの間、誰も月に行っていません

それによって「アポロは本当は月に行ってないんじゃないか」という陰謀論もよく耳にしますが、 アポロ計画以降、誰も月に行こうとしなかったのにはいくつか理由があって、

  • ■ 冷戦時代の宇宙開発競争が終わったこと
  • ■ 莫大な費用がかかること
  • ■ 技術的な課題
  • ■ 単純に「月探査の優先度が下がった」こと

など、 政治的、経済的、技術的な要因が絡み合った結果と言われています。

しかし今、NASAが中心となり、人類は再び月を目指しています。

その名も🌖アルテミス計画🌕

アポロ、アルテミス、オリオン ── 名前の意味と関係性

アポロ計画(1961-1972)は、人類を月に送り込むことを目的とし、1969年にアポロ11号が歴史的な月面着陸を成功させました。
ただ、あくまで短期的なミッションだったため、月に拠点を作ることはありませんでした。

アルテミス計画は、このアポロ計画を受け継ぎながら、今度は長期的な月探査を目指します。
その鍵となるのが「オリオン宇宙船🚀」

これはアポロの司令船の進化版で、月への有人飛行や深宇宙探査に対応できる最新設計になっています。
アルテミス計画では、このオリオン宇宙船と巨大ロケットSLS(スペース・ローンチ・システム)組み合わせて、長期的な月探査の基盤を作ります。

ちなみに、これらの計画に使われている「アポロ」「アルテミス」「オリオン」という名前は、すべてギリシャ神話に由来しています。

  • 🌞アポロン(Apollōn)
    : 太陽神であり、音楽や詩、予言の神でもある。知性と秩序の象徴。
  • 🌙アルテミス(Artemis)
    : アポロの双子の妹で、月と狩猟の女神。自然や生命の守護者でもある。
  • 🏹オリオン(Orion)
    : 偉大な狩人。アルテミスと親しくなったが、兄アポロンがそれをよく思わず、策略によりアルテミスがオリオンを殺してしまったという神話がある。

アポロン(先代機)がシスコンのせいでアルテミス(今回の計画)がオリオン(今回の船)やっちゃってるやん・・・ってちょっと思いますけど大丈夫なんでしょうか?

私なんかは「アルテミス」と聞くと某美少女戦士の影がちらつきます・・・🐈世代なもので・・・ 出典:東映アニメーション

アルテミス計画とは?

アルテミス計画は、NASAが進める有人月探査プロジェクトで、将来的には火星探査にもつながる壮大な計画です。
アポロ計画とは違い、長期間にわたる月面探査を目指し月周回基地「ゲートウェイ」の建設も計画されています。
しかも、今回はNASAだけでなく、欧州宇宙機関(ESA)、日本(JAXA)、カナダ(CSA)など世界中の国々と協力しながら進められています。

アポロ計画とアルテミス計画の違い

アポロ計画は「月に行って帰る」ことが目的でしたが、アルテミス計画はもっと長期的な視点で月探査を進めます。

長期滞在が前提
– アポロ計画では月滞在は最長3日だったが、アルテミスでは長期滞在を計画。
月周回基地「ゲートウェイ」を建設
– 月軌道に宇宙ステーションを作り、火星探査の中継基地にする。
民間企業が積極的に参加
– SpaceXやBlue Originなどの企業がロケットや宇宙船の開発に関わる。
国際協力が大きなポイント
– アポロ計画はアメリカ単独だったが、アルテミス計画は世界中の国々が参加。

最新のスケジュール(2024年3月現在)

アルテミス計画のスケジュールは実際の進捗によって度々変更されていますが、現在の予定は以下の通りです。

アルテミスII(2025年9月以降)
– アポロ計画以来の有人月周回ミッション。
– 4人の宇宙飛行士がオリオン宇宙船に乗り、月を周回して帰還。
– 有人飛行試験として、オリオン宇宙船の安全性を確認。
アルテミスIII(2026年9月~2027年半ば)
– 2名の宇宙飛行士が月に着陸。
– アポロ計画以来の有人月面探査。
– NASAとSpaceXが開発する「スターシップHLS」(着陸船)を使用。
アルテミスIV(2028年)
– 月周回宇宙ステーション「ゲートウェイ」の建設を開始。
– 欧州・日本が提供する「I-Hab」(居住モジュール)を運搬。

なぜ今、再び月へ?

アルテミス計画の目的は、ただ月を探査することではありません。

火星探査の準備
– 長期間の宇宙滞在技術を確立し、火星ミッションに備える。
月の資源の活用
– 月の極地には氷があり、水や燃料に利用できる可能性。
国際協力による宇宙開発の加速
– 宇宙開発を世界的なプロジェクトとして推進。

これからの注目ポイント

2025年以降、アルテミス計画が本格化します。特に、アルテミスIIの打ち上げが近づくと、メディアの注目も一気に高まるでしょう。
また、ゲートウェイの建設や民間宇宙企業の参入も、今後の大きなポイントです。

出典:sorae 宇宙へのポータルサイト

いよいよ始まる「月探査の新時代」。
アルテミス計画の今後の展開を、引き続きチェックしていきましょう!

参考:JAXA – 国際宇宙探査の取り組み