6月22日はかにの日!かにとかにかま、それぞれの歩み

なつめ 時事ネタ

かにといえば、冬の味覚の代表。
年末年始のごちそう、というイメージが強いだけに、これから夏に向かう6月下旬に「かにの日」があるなんて、ちょっと意外な感じがしませんか?

でも、ちゃんと理由があるんです。

なぜ6月22日が「かにの日」なのか?

実はこの記念日、1990年(平成2年)にかに道楽が制定しました。
目的は、かに料理のおいしさを広めること
そして、日付の由来は以下の2つの理由から来ています。

  • 星占いで「かに座」の始まりが6月22日
  • 50音順で「か」=6番目、「に」=22番目

この語呂合わせを見て、思わず「そう来たか…」と思っていしまいました。
一般社団法人・日本記念日協会にも認定・登録されています。

あの、店頭で巨大な動くかにの看板がトレードマークの「かに道楽」が決めたというのも納得です。
(ちなみに、かにすきを作ったのは「かに道楽」らしいです。)

かには昔から高級食材だった?

かにの缶詰

かにといえば、ちょっと特別なイメージがありますよね。
旅館の夕食やお正月のごちそう、あるいは冬にお取り寄せする贅沢品…という感じがします。

でも実は、かつての日本では、今のようにかにが珍重されていたわけではなかったようです。

たとえば1700年代ごろには、日本海側ですでにかに漁が行われていたそうですが、かには鮮度が落ちやすいため、当時の流通では遠くまで運ぶのがむずかしく、商品として流通することは少なかったのだとか。

そのため、たとえ大量にかにが獲れても、食べられるのは漁師町などの沿岸地域に限られていました。
食べきれなかった分は、畑の肥料にされたり、残念ながらそのまま捨てられてしまったりすることもあったようです。

高度経済成長期に入った1960年代でも、かにはまだ“ごちそう”というよりも、地元で気軽に手に入る海の幸という扱い。
子どものおやつだったり、茹でたかにを近くの村で売ったり、缶詰に加工したりと、今よりずっと身近な存在だったようです。

そんなかにが「冬といえばかに!」という存在になるのはもう少し後のこと。
たとえば1960年代、大阪にかに料理専門店が登場したことで、かにの食文化が広まり始めたとも言われています。

当時は、家庭で生のかにを調理することはめずらしく、「かにといえば缶詰」というイメージが主流だったことからも、今とはずいぶん違う立ち位置だったことがわかりますね。

そんな時は「かにかま」がある!

本物のかに、ちょっと手が出にくい…。
でも、そんな時に頼れる存在といえば、「かにかま」ですよね。

冷蔵庫にあると安心感がある食材ランキングがあれば、きっと上位に入ってくるんじゃないでしょうか。

お弁当の隙間にぴったり、サラダに入れれば彩りが増す。
見た目も華やかで、しかも魚のすり身から作られているので、タンパク質もちゃんと摂れる

小腹が空いた時に1本食べても罪悪感をあまり感じないですし、まさに万能選手ですね!

実は「かにかまの日」もある!

そんな「かにかま」にも、ちゃんと記念日があるんです。
その名も「かにかまの日」

制定したのは、石川県七尾市に本社を構える株式会社スギヨ
水産練り製品や冷凍魚の加工品を扱う会社で、「かにかま」の元祖とも言える存在です。

目的はもちろん、「かにかま」のおいしさをもっと多くの人に知ってもらうこと

面白いのは日付の決め方で、「かにのハサミ」が漢字の「ニニ(22)」に見えることから、毎月22日がカニカマの日に。

ただし——
6月22日だけは、本物の「かにの日」に敬意を表して除外されているんです。

本物のかにに対する気持ちがこもっていて素敵ですよね。

かにかまの歴史と魅力

かにかま

ちなみに、かにかまの正式名称は「かに風味かまぼこ」
その歴史は意外と新しく、1970年代に日本で誕生しました。

低カロリーで高タンパク質、しかも手軽でおいしい。
その優秀さが評価され、今では世界中に広がっています。

最近では、本物のかにも顔負けの風味を持つ「高級かにかま」も登場。
ちょっとリッチな気分になれる食材ですよね。……その分、お値段もちょっぴりリッチですが。

スーパーで時々、かに以外の味のかにかまを見かけることがあるのですが、みなさんはどうですか?
黄色のレモン味や、茶色のたこ焼き味など、「その味、ありなん?」と思ってしまうものも。
中でも一番驚いたのは、水色のソーダ味! さすがに、買う勇気が出ませんでした……。

かにとかにかま、どちらも魅力たっぷり!

今回は、
6月22日の「かにの日」
毎月22日(6月を除く)の「かにかまの日」
という、2つの「かににまつわる記念日」についてご紹介しました。

昔は身近な食材だったかにが、今ではごちそうに。
その一方で、手軽に楽しめる「かにかま」が登場し、日々の食卓を彩ってくれるようになりました。

こうして背景を知ると、かにやかにかまがもっと身近に、そしてちょっと特別に感じられますね。