気になる言葉:地上?陸上?似てるけどちょっと違う2つの言葉

なつめ ライフハック

「地上」と「陸上」って、どう違うと思いますか?
どちらも「地面の上」っぽい言葉ですが、実はちゃんと使い分けがあります。

例えば、ニュースで「地上で何かが起きた」と言うこともあれば、スポーツの世界では「陸上競技」という言葉を使いますよね。

なんとなく「似てるけど違う」この2つの言葉。
実は、2025年の9月に東京で開催される世界陸上競技選手権大会(通称「世界陸上」)が、その違いを考えるヒントになります。

どんな風に違うのか、見ていきましょう!

「これってどう違うんだろう?」と思うような言葉に出会ったことはありませんか?

気になる言葉、第13弾です。

↓新たな試みで目次を作ってみました!

ざっくり意味を比べてみよう

言葉 意味
地上 地面の上。空や地下に対して「地面のほう」。
陸上 陸地の上。海や水の中ではなく「陸のほう」。

似てますね…でも、違うところがあるんです。

地上ってどんなときに使う?

  • 地上に降り立つ(飛行機や宇宙船など)
  • 地上波テレビ(空から電波を飛ばすけど、アンテナは地面にある)
  • 地上20メートルのビル(地下や空中ではなく、地面の上に建ってる)

このように、「空や地下に対しての“地面”」という意味で使われるのが「地上」です。

陸上ってどんなときに使う?

  • 陸上競技(100メートル走やハードルなど、陸地で行うスポーツ)
  • 陸上自衛隊(海や空ではなく、陸で活動する部隊)
  • 陸上輸送(船や飛行機ではなく、トラックや鉄道など地上の移動手段)

こちらは「水に対しての“陸”」という意味で使われることが多いです。

たとえてみよう:「地上」と「陸上」

陸地のイメージ

ちょっと想像してみてください。

あなたが宇宙船に乗って地球に帰ってくるとき、どこに着地しますか?
そう、「地上に着地します」。

これは、宇宙や空から見て、「地面に降りる」という感覚ですね。

一方で、あなたが船に乗って長旅をしていたとします。
やっと陸が見えました。港に着いて、足をつけた場所、それが「陸上」です。

つまり、

  • 「地上」は、空から見た“地面”
  • 「陸上」は、海から見た“陸地”

というイメージがぴったりなんです。

「地面の上を走る」はどっち?

私たちはふつう、道路やグラウンドなどの地面を走りますよね。
じゃあ、「地面の上を走る競技」は「地上競技」?それとも「陸上競技」?

正解は…… 「陸上競技」 です!

これは、スポーツが「水泳(プールや川など)」や「水上競技(ボートなど)」と区別されているからなんです。

つまり、「海・水の上ではないよ。陸の上だよ」という意味で、「陸上競技」という名前がついているんですね。

世界陸上がヒントになる

2025年9月13日から、世界陸上競技選手権大会が東京で開催されます!
100メートル走やマラソン、やり投げなど、さまざまな競技が予定されていますね。

この「世界陸上」では、水泳の種目はありません。
海の上を走るわけでも、空中を飛ぶわけでもありません。

全部、陸の上で行われるスポーツ
だから「世界“陸上”競技」なんです。

言いかえるなら、
「地上で行われる競技」と言っても間違いではないけれど、
「陸と水」の区別を強調するなら、「陸上競技」のほうがしっくりきますよね。

似てるけど違う「地」と「陸」

ここでもう一度、漢字の意味に注目してみましょう。

  • ……地面そのもの。空や地下に対して使うことが多い。
  • ……海や水に対する「陸地」。地面だけど、水と区別したいときに使う。

さらにわかりやすく言うなら、

  • 地上は、「上下」で見たときの場所(=空や地下と比べて“上”)
  • 陸上は、「横の広がり」で見たときの場所(=海や川と並べて見たときの“陸地”)

たとえば、「地震」は地面が揺れること。でも「陸震」とは言いませんよね。
一方、「着陸」は空から降りて陸に着くこと。「着地」と言うと、もう少し小さなスケールになります(ジャンプの着地など)。

このように、「地」と「陸」は意味も使い方も少しずつ違うんです。

こんなとき、どっちを使う?

ちょっとしたクイズ感覚で考えてみましょう!

  1. 飛行機が空港に降りるとき → 着陸
  2. 宇宙船が地球に戻ってきた → 地上に帰還
  3. トラックで物を運ぶ → 陸上輸送
  4. ビルの高さを表す → 地上○メートル
  5. マラソンや短距離走 → 陸上競技

どうでしょう?感覚がつかめてきたでしょうか。

どっちも「地面の上」だけど、視点が違う

視点 使う言葉
空・地下に対して 地上 地上に建つビル、地上波放送
水に対して 陸上 陸上競技、陸上自衛隊、陸上輸送

言葉は、似てるようでちゃんと使い分けがあるんですね。
ふだん何気なく使っているけど、ちょっと立ち止まって考えてみると、「なるほどな~」と発見があります。

世界陸上を楽しみながら、言葉にも注目してみよう!

今年の秋、世界陸上をテレビで見る人も多いかもしれません。
選手の走りやジャンプに目を奪われつつ、ふと実況で「陸上競技」と聞こえてきたときに、
「海の上じゃなくて、陸の上ってことやな」と思い出してみるのはいかがでしょうか。

それだけで、ちょっと言葉に詳しくなった気分になれるかもしれません。