「下旬っていつから?」と迷ったら読む話─上旬・中旬・下旬の意味と使い分け
ライフハック
なつめ
ひまわりが見ごろになる7月。
とある植物園のサイトに「7月下旬から開園予定」と書いてありました。
「下旬って……いつから?」
カレンダーを見ながらつぶやいた私のひと言に、そばにいた家族もぽつり。
「いつからやろ」
そのまま、話は自然と終わってしまいました。
なんとなく意味は分かっているけれど、いざ具体的に「何日から何日までが下旬?」と聞かれると、ちょっと自信がなくなる言葉。それが「上旬・中旬・下旬」なのかもしれません。
今回は、そんな“ちょっとあいまい”で“でもよく使う”「上旬・中旬・下旬」について、確認していきましょう。
上旬・中旬・下旬の意味を確認!

辞書的な意味を確認してみましょう。
- 上旬(じょうじゅん):月の1日から10日まで
- 中旬(ちゅうじゅん):月の11日から20日まで
- 下旬(げじゅん):月の21日から月末まで
カレンダーで見ると、きれいに10日ずつで分かれているのがわかりますね。
ただし、月末は月によって28日だったり31日だったりするので、下旬だけは日数に幅があるというのが注意点です。
たとえば、7月の場合はこうなります。
- ◽上旬:7月1日〜7月10日
- ◽中旬:7月11日〜7月20日
- ◽下旬:7月21日〜7月31日
つまり、「7月下旬から開園予定」と書いてあったら、7月21日以降に行けば開いている可能性が高いということですね。
どうして“10日”ずつで区切るの?
日本では古くから「十日(とおか)」をひと区切りとする考え方があって、これを「旬(じゅん)」と呼んでいます。(“しゅん”ではないですよ。)
なので、「上旬・中旬・下旬」というのは、1か月を3つの“旬”に分けた言い方なんです。
この言葉の使い方は、実はけっこう歴史があるんです。
平安時代の文学や、江戸時代の暦などにも「○月上旬」なんて表現がすでに出てきているようです。
その他のざっくりとした日付の言い方
「上旬・中旬・下旬」の他にも、日付の範囲をざっくりと示す言葉があります。
いわば、「上中下旬」と並ぶ、もうひとつの“月の区切り方”とも言える表現たちです。
「上旬・中旬・下旬」は10日ずつで分ける言い方でしたが、それとは少し違う、
始まり・真ん中・終わりをざっくり示す表現もあります。
たとえば「月初」「月中」「月末」といった言葉ですね。
さらに、「上旬」に近い言い方として「初旬(しょじゅん)」という言葉もあります。
こうした表現は、日常の会話やビジネスの中でもよく使われています。
初旬(しょじゅん)
「上旬」とほぼ同じ意味で使われますが、特に月の最初の数日間、またはごく初期というニュアンスが強いです。
月の1日から5日くらいまでを指すような、より狭い期間の感覚で使われることもあります。
例:「7月初旬に旅行に行く予定です。」
月初(げっしょ)・月初め(つきはじめ)
「上旬」とほぼ同じ意味で、1日〜10日ごろを指すことが多いです。
ただ、「月初」という言葉、月末に比べてあまり聞きなじみがないかも?と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
実際、「月末までにお願いします」という表現はよく見かけますが、「月初に届けます」とはあまり聞かない印象ですよね。
でも、「月初」はれっきとした言葉で、ビジネスメールでは「月初に資料を送付予定です」といった使い方をされることがあるそうです。
ちょっとお堅い表現、というイメージもあるかもしれません。
月半ば(つきなかば)・月中(げっちゅう)
こちらも「中旬」と近い表現ですが、特に15日ごろをふわっと指す感覚が強いです。
「月中」もまた、やや聞きなれない言葉かもしれませんね。
「中旬」が10日単位で区切っているのに対し、「月中」はもう少しおおまか。
「中旬のどこか」という、にじませるような言い回しとして使われることが多そうです。
月末(げつまつ)・月終わり(つきおわり)
これはおなじみの言葉ですね。
「下旬」の中でも、特に最終日あたり(30日や31日)を指すイメージが強い言葉です。
「月末」は私たちの生活の中でもっともよく使われるざっくり日付かもしれません。
給料日、請求日、締め切り、棚卸し……と、「月末」とつく予定は多いもの。
その分、聞きなれている言葉なんですね。
実際は、ちょっとあいまいに使われている?

もちろん、「上旬=1日〜10日!」ときっちり言わなくても、日常会話では「だいたいこのあたり」で通じることが多いです。
でも、たとえばイベントの開催日や締め切り日など、日にちが重要な場面では要注意。
- 🔸「7月下旬から発送予定」と書いてある商品 → いつ届くのかドキドキ
- 🔸「6月中旬までにご提出ください」→ 実際に出すのは何日がリミット?
こんなとき、「うっかり20日に出して遅れてた」なんてことにならないように、やはり具体的な日付で確認するのが安心です。
覚えておきたい「上中下旬」ざっくりルール
区分 | 期間 | 備考 |
---|---|---|
上旬 | 1日〜10日 | 各月ほぼ固定 |
中旬 | 11日〜20日 | これも10日間で固定 |
下旬 | 21日〜月末 | 月によって変動(28〜31日) |
「下旬」が一番幅があるので、日にちが気になるときは要チェックですね。
ふだんの言葉と組み合わせて、ちょうどいい表現を
「上旬・中旬・下旬」と「月初・月中・月末」、どちらも便利な“ざっくり表現”ですが、それぞれにニュアンスの違いや使いやすさがあります。
たとえば「7月下旬」と言えば21日以降のことですが、「月末」と言えば、おそらく30日や31日あたりを指していると受け取る人が多いはずです。
ふだんの言葉にちょっと気を配ることで、より相手に伝わりやすく、予定も立てやすくなるかもしれません。