スマホは1日2時間まで?豊明市の試みが投げかける課題
時事ネタ
さき
スマートフォンは、いまや生活に欠かせない道具となりました。
ニュース、買い物、SNS、仕事のやり取りまで、ほとんどの人が毎日スマホに触れているはずです。しかしその便利さの一方で、依存や健康被害が問題視されてきました。
そんな中、愛知県豊明市が打ち出した「スマホ使用は1日2時間まで」というガイドラインが大きな議論を呼んでいます。子どもだけでなく大人も対象に含まれていることから、賛否が真っ二つに分かれ、全国的な注目を集めています。
出典:https://news.yahoo.co.jp/articles/3384cd7f512e57dd664052c3529b7f12e8d92b4c今回は、この豊明市の取り組みをもとに、スマホ依存問題の背景、世界の事例、そして私たち自身がどう向き合うべきかを考えてみたいと思います。
豊明市が提案した「スマホ2時間制限」とは?
豊明市は2025年夏、市民の健康や生活習慣の改善を目的に、スマートフォンの使用を1日2時間以内に抑えることを推奨するガイドラインを発表しました。
さらに使用時間だけでなく、利用する時間帯についても制限を設けています。
– 子どもは夜9時まで
– 大人は夜10時まで
と、就寝前の利用を避けることを奨励しました。
あくまで「条例」や「罰則」ではなく、あくまで“推奨”という形ですが、市がこのように具体的な時間を打ち出したのは全国的にも異例です。
ところが、この提案に対して市民からは大きな反発が起きました。
調査によると、約8割の住民が反対し、120件以上の苦情や意見が市に寄せられたといいます。
「生活の自由を侵害する」「現実的に不可能」
「大人にまで強制するのはやりすぎ」
といった声が多く、市の狙いとは裏腹に、批判が目立つ結果となってしまいました。
なぜ豊明市は「スマホ制限」を打ち出したのか?

背景には、近年深刻化しているスマホ依存問題があります。
- 子どもや若者の睡眠不足
- 勉強や仕事への集中力低下
- SNSによる人間関係のストレス
- ゲームや動画視聴の長時間化
こうした影響はすでに国内外で多数報告されています。
特に子どもの場合、長時間の利用が発達や学習に悪影響を与える可能性があるとされ、親世代からも懸念の声は少なくありません。
また、大人にとってもスマホ依存は無関係ではありません。
– ベッドに入ってもついSNSを見てしまう
– 気づけば深夜まで動画を再生している
– 通勤時間が“スマホ漬け”になっている
といった経験は、多くの人が心当たりがあるのではないでしょうか。
豊明市は、こうした状況に歯止めをかけるために「市民ぐるみでスマホとの付き合い方を見直そう」と提案したわけです。
賛成派と反対派の意見

賛成派の主張
- 健康的な生活習慣を取り戻せる
- 子どものスマホ依存を防ぐきっかけになる
- 家族の会話や地域の交流が増えるかもしれない
特に教育現場や子育て世代の中には、「行政が問題提起することで、家庭でもルールを作りやすくなる」という声もあります。
反対派の主張
- 生活の自由を制限しすぎている
- スマホは仕事や勉強にも必要で、2時間は非現実的
- 個人の判断で解決すべきことであり、行政が介入する領域ではない
大人への適用については特に反発が強く、「子どものスマホ制限は理解できても、大人にまで制限をかける必要はない」という意見が目立ちます。
世界の事例と比較してみる
日本だけでなく、世界でもスマホやデジタル機器の利用制限をめぐる動きがあります。
- 韓国:青少年に対して「深夜0時~午前6時」のオンラインゲーム禁止(シャットダウン制度)。
- 中国:未成年は1日1時間までのオンラインゲーム制限を導入。
- フランス:学校でのスマホ使用を原則禁止。
- アメリカやヨーロッパ:政府主導というよりも「デジタル・デトックス」や「スクリーンタイム管理アプリ」で自己管理を促す傾向。
こうして比べてみると、豊明市の取り組みは「自己管理を促す」というより「市が使用時間を具体的に指定」している点が特徴的です。
つまり、自由を重んじる欧米的アプローチとも、強制的に規制する中国型とも違う、中間的な位置づけと言えるかもしれません。
豊明市の試みが投げかける問い

今回のニュースから見えてくるのは、「便利さと健康のバランスをどう取るか」という普遍的な課題です。
私たちは、スマホを使うことで仕事や生活を効率化できる一方、気づかないうちに依存している側面もあります。
- 家族と過ごす時間を削っていないか
- 睡眠時間を奪われていないか
- 実際に“2時間で十分”な日もあるのではないか
豊明市の取り組みは賛否両論ありますが、「スマホとの付き合い方を改めて考えるきっかけ」になったことは間違いないでしょう。
私自身の視点
正直に言えば、「大人にまで時間を制限するのはやりすぎ」という意見にはうなずけます。
仕事や情報収集に使う時間まで含めると、2時間で収めるのは到底不可能だからです。
しかし一方で、「寝る前は触らない」「休日は半日オフラインで過ごす」など、自分なりにルールを作ることは意味があると思います。
個人の自由を尊重しつつも、スマホが生活を支配しすぎないようにする。
行政が一律に決めるのではなく、家庭や個人単位での“ルールづくり”を後押しする形が理想ではないでしょうか。
まとめ:あなたはスマホ2時間で足りる?
豊明市の「スマホ2時間制限」提案は、多くの批判を集めつつも、全国に議論を広げるきっかけとなりました。
確かに、現代の生活においてスマホを2時間以内に抑えるのは難しいことです。
しかし一方で、「本当に必要な時間だけに使う」という意識を持つだけで、私たちの生活は少しずつ変わるかもしれません。
結局のところ大切なのは、行政が決める数字ではなく、私たち一人ひとりが「自分にとって適切なスマホとの距離感」を見つけることだと思います。
では、あなたにとってはどうでしょうか?
「スマホは1日2時間で足りる」と思いますか?それとも「やっぱり無理!」でしょうか?
ぜひこの機会に、自分のスマホ習慣を振り返ってみてください。