クリスマスツリーの飾りを楽しもう!オーナメントに込められた意味とは?
なつめ 時事ネタ
12月に入ると、キラキラ光るクリスマスツリーを見かけることが多くなりますよね。
「もうそんな季節かぁ」と思うと同時に、ツリーの飾りをなんとなく眺めてしまう…そんな方もいるのではないでしょうか。
かわいらしいツリーの飾りですが、「なぜ星?」「なぜボール?」と思ったことはありませんか?
こうした飾りのことを 「オーナメント」 と呼びます。おしゃれな言葉ですよね。
今回は、クリスマスツリーの定番オーナメントの種類と意味を紹介します。
クリスマスツリーのはじまりは?
飾りっていろいろありますよね。というか、そもそもクリスマスツリーはいつごろから飾られているのでしょうか。まずは少しだけ、ツリーの歴史をお話ししますね。
じつはクリスマスツリーのルーツは、キリスト教よりもっと前の時代にあります。
紀元前の北欧を中心とした地域では、冬至(1年でいちばん日が短い日)に「ユール」というお祭りを開いていました。
北欧の冬は日照時間がとても短く、太陽が出ているのは4〜6時間ほどという日もあります。薄暗くて寒い日が続くと、気持ちが沈みがちになりますよね。
そんな冬を乗り切るため、当時の人々は冬でも葉っぱが落ちない常緑樹(モミの木など)を「力強さ」や「生命力」の象徴と考え、家に飾っていました。ろうそくを灯して「早く春が来ますように」と願ったとも言われています。
この風習が残り、16世紀ごろになるとキリスト教の文化と結びついて、現在のクリスマスツリーの形へと変わっていきました。
どうしてツリーに飾り付けをするの?
クリスマスツリーには、いろいろな飾りがありますよね。かわいかったり、キラキラしていたりして見ているだけでも楽しいですが、飾りをつけるのにはちゃんと理由があるんです。
ツリーに飾り付けをするのは、「永遠の命」の象徴である常緑樹に、光や色を加えて冬の寒さや暗さを打ち消し、明るく楽しい雰囲気にしたいという気持ちから始まったという説があります。また、飾りひとつひとつにも、「希望」や「喜び」「やさしさ」といった大切な願いが込められています。
よく見るオーナメントの意味と由来
それでは、7種類のオーナメントの意味と由来を説明していきます。
星(トップスター)
ツリーのいちばん目立つ場所に飾る、大きな星。
これは、新約聖書に出てくる「ベツレヘムの星」が元になっています。イエス・キリストが生まれたとき、空に大きく明るい星が現れ、それを見た空や星にくわしい学者たち(東方の三博士)が「これは特別な出来事の合図だ」と考え、その星を道しるべにして会いに行った、というお話があります。
このエピソードから「希望を示す星」「道しるべ」というイメージが広まり、ツリーのてっぺんに飾られるようになりました。まさに、ツリーの主役と言っていい存在です。
ボール(丸いオーナメント)
クリスマスツリーの飾りといえば、このカラフルな丸いオーナメントを思い浮かべる方が多いかもしれません。
実はこの丸い飾り、もともとは「リンゴ」を表していたと言われています。昔のヨーロッパでは、宗教劇の中でモミの木を“知恵の木”に見立てて、そこに赤いリンゴを飾っていたんです。旧約聖書に出てくる「禁断の実」を表していたんですね。
そのリンゴが、のちに「実り」や「豊かさ」の象徴として親しまれ、ガラス製の丸いオーナメントに姿を変えていきました。
ベル(鐘)
ツリーについている小さなベル。
昔から、ベルの音には「悪いものを追い払う力がある」と考えられていました。
教会の鐘も、時間を知らせるだけじゃなくて、「キリストが生まれましたよ」というお祝いの合図だったり、人が集まるきっかけになったりと、明るい意味を持つ音なんですね。
ツリーのベルもそのイメージを受けて、「いいことが来ますように」「気持ちが明るくなりますように」という願いをこめて飾られるようになりました。
キャンディケーン(杖の形のお菓子)
赤と白のしま模様がかわいい、細長い杖のような飾り。
この形にはいくつか説がありますが、よく知られているのは「羊飼いの杖」を表しているというものです。キリストは「人々を導く存在」とされることが多く、その姿が、迷った羊をやさしく導く羊飼いに重ねられました。そうしたことから、杖の形は「導き」や「見守り」を象徴すると言われています。
ちなみに、この杖を逆さにすると、イエス・キリストの頭文字である「J」に見える、という説もあります。
色にも意味があります。赤はキリストの愛や犠牲(血)、白は純潔や清らかな心の象徴と言われます。つまりこの2色は、「人を思いやる気持ち(赤)と、まっすぐで清らかな心(白)」を表しているようです。
「人を大切にしたい」という願いを添えて、ツリーに飾られるようになったとも言われています。
クリスマスストッキング(靴下)
ツリーに大きな靴下がぶら下がっているのを見たこと、ありませんか?
この飾りは、実はサンタクロースのモデルになった「聖ニコラウス」のお話が元になっています。昔、貧しい家族を助けるために、ニコラウスがこっそり金貨を煙突から落としたところ、暖炉のそばにつるしてあった靴下の中に入ったそうなんです。
それ以来、靴下は「誰かを思ってプレゼントをあげる気持ち」の象徴として飾られるようになりました。
天使
天使は、キリストが生まれたときに「救い主の誕生という大事なお知らせを届けた存在」として登場します。そのため、ツリーの天使は「見守ってくれる存在」「やさしさ」を表す飾りなんです。
ちなみに、この天使の飾りは、星(トップスター)の代わりにツリーのてっぺんに飾られることもあります。
リボン
リボンは、人と物をしっかりと結びつけることから、「人と人をむすぶ」「絆」という意味があると言われています。たしかに、リボンって贈り物には欠かせない存在ですよね。
ツリー全体をふんわり包んでくれるような飾りで、家のツリーに取り入れると一気に「特別感」が出ます。
オーナメントを知ると、ツリーがちょっと楽しくなる
こうして見てみると、ひとつひとつの飾りに「やさしい気持ち」や「希望」がこめられていることがわかります。
どれも、ツリーに飾るときには、「喜び」や「やさしさ」「愛」「希望」といった気持ちを表すために選ばれています。
クリスマスツリーは、古代からの願いや「みんなで冬を明るく過ごしたい」という想いが重なってできたものです。
意味を知ると、いつものツリーもより深く、ちょっと違った魅力を感じられるかもしれません。


