年末年始に気をつけたい!2025年度版 情報セキュリティの注意点(後編)
なつめ 時事ネタ
前編では、休み前後にチェックしておきたいポイントや、利用者・管理者・個人それぞれの対策を紹介しました。
後編は、IoT機器の乗っ取りや詐欺メール・偽の警告画面など、日常で遭遇しやすい話題が中心です。
困ったときの相談窓口もチェックしていきます。
お知らせ3:ネットにつながる機器への注意
現在増えているのが、会社や家庭にあるネット接続機器、いわゆるIoT機器の乗っ取りです。
IoTとは、身近な“モノ”がインターネットにつながり、データをやり取りできる技術のことで、「モノのインターネット」とも呼ばれています。
IoT機器には、外出先から温度調整できるエアコン、外から映像を見られる見守り・防犯カメラ、スマホで鍵の開け閉めができる“スマートロック”などがあります。
身近な『モノ』がネットにつながることで、遠隔で操作できたり、情報を自動で集めたりできるようになるのがIoTです。
ただ、便利になる一方で、インターネットにつながる分だけ“攻撃される入り口”も増えてしまいます。
2024年末から2025年はじめには、乗っ取られたIoT機器が大量の攻撃に使われたという報告も出ています。
年末に航空会社でシステムに負荷がかかったり、年明けに金融サービス・通信がつながりにくくなったりしたのも、こうした乗っ取られた機器が悪用された(DDoS攻撃)影響とみられています。
「じゃあ、私たちはどうすれば?」と思うかもしれませんよね。
でも、日頃から少しだけ対策しておけば安心です。
対策の一部はこちら
- ・家にあるネット接続機器の数を把握する
- ・初期設定や古いパスワードは、複雑なものに変える
- ・使っていない接続機器は電源を切る(または外す)
お知らせ4:詐欺メールや“偽の警告画面”もまだまだ健在
「今すぐ電話!」「あなたのパソコンが危険です!」
こんな画面、見覚えありませんか?
年末年始は問い合わせ窓口も休みがちで、何か問題が起こると「どこに相談したら良い?」と不安になったり、焦ってしまうこともあるのではないでしょうか。
しかし、こうした警告の多くはサポート詐欺です。
実際には、パソコンやスマホが壊れているわけではありません。
IPAでは、偽の警告に慌てないための体験サイトや、実際の手口を知るための動画も公開していて、どうやって判断すればいいかを確認できます。
👉 偽セキュリティ警告(サポート詐欺)画面の閉じ方体験サイト(注釈:Windowsパソコンのみ対応) ーIPA(独立行政法人情報処理推進機構)
👉 手口検証動画シリーズ ーIPA(独立行政法人情報処理推進機構)
自分だけでなく、家族にも「こういうのには反応しないほうがいいよ」と一言伝えておくと、慌てずに落ち着いて年末年始を過ごせます。ちょっとした声かけ安心につながりますよ。
お知らせ5:もし何かあったらの連絡先
年末年始は、会社の担当者やサポート窓口につながりにくい場面も増えます。
そんなときに頼りになるのが、IPAが公開している相談窓口です。
会社や組織で、不審なメールを見つけたり、機器やシステムにいつもと違う動きがあったときは、IPAの「企業・組織向けサイバーセキュリティ相談窓口」に相談してみましょう。
わかる範囲で情報を出すだけでも大丈夫です。みんなで少しずつ注意することが、安全につながります。
IPAでは、企業や個人向けに相談窓口や届出窓口を公開しています。
企業・組織向けの窓口
👉 企業組織向けサイバーセキュリティ相談窓口 ー IPA(独立行政法人情報処理推進機構)
個人向けの窓口
👉 情報セキュリティ安心相談窓口 ー IPA(独立行政法人情報処理推進機構)
被害情報の届出
👉 コンピュータウイルス・不正アクセスに関する届出窓口 ー IPA(独立行政法人情報処理推進機構)
たとえば、こんなことが起こった場合です。
- ・不審なメールを開いてしまった
- ・パソコンに変な画面が出た
- ・「なんとなくイヤな予感」が拭えない
いずれの場合も、「念のため相談」で大丈夫です。
今は「自分は大丈夫でしょ」よりも、「巻き込まれない環境づくり」が大切になってきています。
少し慎重になるだけで、休み明けを安心して迎えられます。
家族や同僚の方と共有してみてはいかがでしょうか。
少しの準備で安心な年末年始を
ここまで前編・後編に分けて、年末年始に気をつけたいポイントを見てきました。
長期休暇は担当者が不在になり、トラブルの発見が遅れがちです。
「気づいたときにはもう遅かった…」とならないために、以下の4つを意識してみるのはどうでしょうか。
- 電源を切る:使わない機器はOFFにして入口を閉じる
- 更新する:休み明けはまずOSやソフトを最新にする
- 開かない:怪しいメールやURL、偽の警告は無視する
- 共有する:SNSでの留守投稿は控え、異変があればすぐ相談する
セキュリティのことを“ちょっと気にしてみる”からで大丈夫です。無理せず、できるところからいきましょう。
もっと詳しく知りたいなと思ったら、IPA の公式ページを見てみてくださいね。
情報がまとまっているので、判断に迷ったら公式でいきましょう。
👉 2025年度 年末年始における情報セキュリティに関する注意喚起 ーIPA(独立行政法人情報処理推進機構)
では、よいお休みを!


