子供の言い間違いと言葉の進化
CT 日常
自分のことを「わいぃ」と言っていたうちの娘も、 3歳になり、たくさんおしゃべりできるようになりました。
最近よく耳にする言い間違いが、こちら。
- おすくり(お薬)
- ほくえいん(保育園)
- すべだりい(すべり台)
- おするばん(お留守番)
どれも意味は完璧に通じるのに、音の並びだけがちょっと違う。
中でも、私のお気に入りは――
はずましこれ、原形が何だか分かりますか……?
「は!は!はま寿司!」でおなじみの、 あの はま寿司 です。
娘は張り切って、
「は!は!はずまし!!!」
と叫んでいます。
……可愛いです!!!
今はもう10歳になる息子も、
かつてはたくさんの名作を残してくれました。
- ぞうまめ(ゾウガメ)
- ぱんぽこ(タンポポ)
- おじゃまたくし(おたまじゃくし)
- とうもころし(トウモロコシ)
思い出すたびに、
「なんで直っちゃったんだろうなぁ」と思います。
特に訂正した覚えはないんですけど・・・
なぜ、子どもは言い間違うの?
子どもは、
耳で聞いて → 頭の中で組み立てて → 口から出す
という作業を、ものすごいスピードでやっています。
でもこの「音を並べる作業」は、大人が思っている以上に高度。
そのため、音の順番が入れ替わったり似た音同士がくっついたりすることがあります。
🧠 「音位転換」
この言い間違い、実は言語学では昔から知られていて、ちゃんと名前もついています。
音位転換(おんいてんかん)
音(おん)の位置(いち)が転換する、
つまり
音の並びが入れ替わること。
- すべりだい → すべだりい
- おくすり → おすくり
- はま寿司 → はずまし
「音位転換」の原因のひとつとして、
調音上の要請(音の並びをより読みやすく並べ替えるため)、
があるとされています。
🌸 山茶花は、もともと「さんさか」
実はこの現象、
子どもの言い間違いだけのものではありません。
山茶花(さざんか)
この読み、もともとは
それが長い年月の間に、
さんさか → さざんか
と音が入れ替わり、
今ではそれが正式な日本語になっています。
つまり、
大人も歴史の中で集団的に言い間違えてきたというわけです。
🆕 もっと身近な例もあります
新しい(あたらしい)
この漢字、
「あ・た・ら・し・い」と読みますよね。
小学校でも確かにそう習いました。
でも、送り仮名を変えてみると……。
新たな(あ・ら・た・な)……あれ?
「た」と「ら」が、入れ替わってる~!」そうなんです。
もともと「新しい」は
「あらたし」が正しい読み方でした。
それが
あらたし → あたらし → あたらしいと音が組み替わり、
今の形になったのです。
🌱言い間違いは、言語の進化の種?
こうして見ていくと、子どもの言い間違いとして定番の
おすくり
おするばん
トウモコロシ
おじゃまたくし
あたりは、多くの子どもが共通して言いにくい言葉でもあります。
そこに、言語が変わっていく“芽”🌱が隠れているように見えてきます。
もしかすると数百年後の辞書には、
おすくり【名】
日本の伝統的菓子
なんて載っているかもしれません。
大人だって普通に、
雰囲気を 「ふいんき」
シミュレーションを 「シュミレーション」
と言いますよね。
むしろ、
「ふんいき」br>
「シミュレーション」
と正しく言うほうが、
ちょっとよそよそしく聞こえるくらいです。
まさに、進化の途中。
使われ続ければ、いずれ「さざんか」や「あたらしい」のように、 正式な読みとして定着する日が来るかもしれません。
もしかしたら、うちの娘が叫んでいる
「はずまし!」
も……?


