外国人講師の夏休み事情と世界の新学期、日本が4月入学な理由

まいまい 日常

この夏、わが家の子どもたちが通っている園や英会話スクールでは、外国人講師の先生方がお休みを取ることがとても多くありました。ちょうどお盆休みとも重なる時期だったので、夫と「やっぱり海外では9月から新学期が始まるから、この時期に長いお休みを取るのかな?」という話題になったのです。

確かに、日本ではあまり馴染みがありませんが、海外では「9月=新学期」というのがスタンダード。私たち親世代も映画やドラマで「Back to school!」なんていうシーンを見て、なんとなく知っている人も多いのではないでしょうか。では実際のところ、外国人講師のお休みと9月新学期は関係があるのでしょうか?

世界の新学期事情

まずは世界の国々で新学期がいつ始まるのかをざっくり見てみましょう。

  • アメリカ8月下旬〜9月上旬が新学期。州や学区によってバラつきはありますが、夏休みは2か月以上と長く、6月中旬から8月末まで休みになるのが一般的です。
  • カナダ:こちらも9月新学期が主流。夏休みは6月末〜9月頭までと、日本の2倍ほどの長さです。
  • ヨーロッパ(イギリス、フランスなど):国によって少し違いますが、9月新学期が多いです。バカンス文化が根付いているので、8月は丸ごと休暇を取る人も珍しくありません。
  • オーストラリアやニュージーランド:南半球なので季節が逆。新学期は1月末〜2月に始まります。夏休みはクリスマスとセットで1か月半ほど。

こうして見ると「世界の標準は9月スタート」と言える国が多いですね。つまり、外国人講師が夏に帰省や長期休暇を取るのは「新学期前にまとめて休暇をとる」という現地の文化やライフスタイルに基づいていると考えられます。

日本はなぜ4月スタート?

ではなぜ日本だけが4月なのか。理由はいくつかあります。

  1. 会計年度の関係
  2.  日本では国の会計年度が4月から翌年3月までとなっています。明治時代にこの制度が定着し、それに合わせて学校の年度も4月スタートに揃えられました。
  3. 桜の季節と結びついている
  4. 日本では春に桜が咲き、新しいスタートを切る季節として親しまれてきました。入学式と桜のイメージがセットで定着したのも理由のひとつです。
  5. 農業カレンダーの影響
  6. 昔は農業社会だったため、農繁期を避けた4月が新学期に選ばれたという説もあります。

このように、歴史的・文化的な背景があって、日本だけが4月入学を守り続けているのです。

外国人講師が夏に休む理由

では話を戻して、実際に外国人講師が夏に長期休暇を取るのはなぜか。

母国の夏休みに合わせて帰省する

たとえばアメリカやカナダでは、6月〜8月が大きな夏休み。家族や友人に会うために、この時期に一時帰国する先生が多いのです。

9月新学期の文化が背景にある

先生自身が「9月=新しい区切り」という感覚を持っているので、その前にリフレッシュする意味合いもあるようです。

日本の園やスクールも夏休み期間

日本でも園や学校が夏休みに入るため、外国人講師がまとめて休みを取りやすいという事情もあります。

つまり、夫と話していたように「9月新学期」が背景にあるのは確かですが、それ以上に「夏休み=家族でゆっくりする時期」という世界的な文化の違いが大きいのかもしれません。

日本で9月入学はアリ?

実は日本でも、過去に何度か「9月入学」を導入しようという議論がありました。特に2020年のコロナ禍で休校が続いた時期には「9月入学制」に大きな注目が集まりました。

ただ、実際に導入するとなると課題も山積みです。

  • 会計年度とのズレが生じ、行政や企業の仕組みを大きく変える必要がある
  • 受験シーズンが真冬から真夏に変わることによる影響
  • 卒業・就職・新生活が桜の季節と切り離される文化的な違和感

こうした理由から、現実的にはなかなか実現が難しいというのが現状です。

まとめ

子どもたちの園や英会話スクールで外国人講師の先生方が夏にお休みを取るのは、単に「夏だから休む」ではなく、母国の長い夏休みや9月新学期という文化的背景があるからだと分かりました。

私たちにとって「4月が新学期」というのは当たり前でも、世界から見ると日本は少数派。こうした違いを知ると、グローバルな文化の広がりを子どもに話してあげるきっかけにもなりそうです。

桜の下で始まる日本の春も素敵ですが、夏の終わりに「さあ、新しい一年の始まり!」と気持ちを切り替える海外の文化もまた魅力的ですよね。