アンカーリングってなに?子育てに取り入れる「喜び」と「ご褒美」の工夫

まいまい 日常

最近、とある育児コラムで「アンカーリング」という言葉を目にしました。 「おっ、心理学っぽい難しい言葉?」と思いきや、読んでみると子育ての場面にすごく役立ちそうな内容。
でも、同時に「私にできるかな…?」という不安もありました。
というのも、私は日常生活であまり大げさに喜んだり、拍手したりするタイプではないからです。

子どもが「ママ、見て!できた!」と見せてきても、どうしても「おお〜ほんまや、すご~い!」くらいの反応になってしまいます
もっと全身で喜べたらいいのかもしれませんが、なかなか性格的に難しい…。そんな私でもできる「アンカーリング」の取り入れ方を考えてみました。

アンカーリングとは?

心理学の世界でいうアンカーリングとは、簡単に言うと「ある刺激と感情や行動を結びつけること」です。

    たとえば、
  • 好きな曲を聴くとそのときの思い出がよみがえる
  • 雨のにおいをかぐと学生時代の部活を思い出す

これもアンカーリングの一種です。

NLP(神経言語プログラミング)という分野ではよく使われる言葉で、「条件付け」とも言えます。子育ての場面で考えると、

子どもががんばった → 親が笑顔で拍手 → 子どもは「やってよかった!」と思う
この流れが自然に次の行動のやる気につながるんです。

1. 喜ぶアンカーリング

アンカーリングの代表例は、親が「うれしい!すごい!」と喜ぶことで子どもが「もっとやろう」と思える仕組み。拍手やハイタッチなども含まれます。
私のように大げさな表現が苦手でも、実は無理にテンション高く振る舞う必要はありません。

  • 💜‪「ありがとう、助かったよ」
  • 💜‪「ママうれしいな」
  • 💜‪「にっこり笑顔でハイタッチ」

これだけでも十分なんです。
ポイントは「子どもに伝わる形でプラスの反応を返すこと」
たとえ声のトーンが落ち着いていても、言葉や表情がしっかり伝われば、それだけでアンカーリングになります。

兄弟がいる家庭では「どちらかだけ褒めると比べちゃう」なんてこともありますよね。そんなときは、「ありがとう!二人とも助かったよ」とまとめて言ったり、それぞれの得意を個別に見つけて言葉で伝えたりするとバランスがとれます。

2. ご褒美アンカーリング

もうひとつは「ご褒美」という形のアンカーリングです。
これはとても分かりやすい方法で、行動の後にシールやお菓子、遊ぶ時間などを与えることで「またやろう」と思ってもらうやり方です。

メリットは即効性。
子どもにとって「やったらいいことがある」が明確なので、すぐに効果が出やすいです。
とくに小さい子にはシールやスタンプカードが分かりやすくておすすめ。

ただし注意点もあります。ご褒美が大きすぎると「もらえなければやらない」という逆効果になることも。
また、毎回お菓子だと健康面も気になりますよね。だからこそ、ご褒美の頻度や大きさを調整するのが大事。

    たとえば、
  • 小さな成功 → シール1枚
  • 特別にがんばったとき → 好きな遊びを10分延長

といった具合に強弱をつけると、だんだん「ご褒美がなくてもやる」方向にシフトしやすくなります。

喜びアンカー vs ご褒美アンカー

ここで「喜ぶ」と「ご褒美」を比較してみましょう。

喜びのアンカーリング

  • 親の感情や言葉がそのままモチベーションになる
  • 内面のやる気につながるので持続性がある

ご褒美のアンカーリング

  • 目に見える成果があるので子どもも理解しやすい
  • 即効性はあるが、やり方を間違えると依存しやすい

この2つはどちらが正解というわけではなく、組み合わせて使うのが現実的です。 たとえば「最初はご褒美でやる気を出して、続けるうちに喜びのアンカーに移行していく」なんて流れは、親も子どもも無理なく取り入れられます。

私なりの工夫

冒頭でも書いたように、私は大げさに喜ぶのが苦手。
だから「ご褒美アンカー」を多めに取り入れつつ、できる範囲で「喜びのアンカー」も意識するようにしています。

たとえば、子どもが朝ドリルを1ページでも取り組んだらシールを貼る。これだけでも子どもは「やった!」という達成感を味わえます。
そのとき、無理に「すごいね!」と言う必要はなく、「よく頑張ったね」「最後までやりきったね」など、行動や努力そのものを認める一言を添えるだけで、ご褒美が“努力を認められた”体験に変わります。

また、子どもに「できたね!」と言う代わりに、「最後までできたんだね、えらいね」と自分の感情ではなく行動を伝えると、子どもは「自分の頑張りが評価されている」と感じやすく、内側のやる気につながります。

まとめ

アンカーリングは、子育てをちょっと楽にしてくれる心理学のテクニック。

「喜び」のアンカーリングは、親の反応を通して子どもの内面を育てる

「ご褒美」のアンカーリングは、即効性があって取り入れやすい

どちらも大事で、うまく組み合わせれば「やらされる」ではなく「やりたい!」に近づけます。

大げさに喜ぶのが苦手でも、ありがとうや笑顔だけで十分効果がありますし、ご褒美も小さな工夫で取り入れられます。
完璧にやらなくても大丈夫。「自分の家庭に合ったやり方」を見つけることこそが一番のアンカーリングかもしれません。